青森に旅行にいったらぜひ行きたい温泉といったら?

かつては歌に歌われたように、青森県は上野発の夜行列車に乗って旅をする遠い地でしたが、東北新幹線が2002年に八戸まで、2010年に新青森まで開通し、気軽に旅行ができるようになりました。

海あり山ありの青森県は、旅行先としてとても魅力的な土地です。旅行の目的として大きなウェイトを占める温泉ですが、ここ青森県はその意味でも素晴らしい旅先と言えます。

青森に旅行にいったらぜひ行きたい温泉青森県のHPによると、県内に温泉地数は142カ所あり、総湧出量は140,000L/分。これは共に全国で第4位の数字です。源泉数は1000を超え、このうち42度以上の源泉の数も600以上あり、こちらは共に全国6位です。これだけあると、はたしてどこに行ったらよいのか迷ってしまいます。それぞれの土地ごとに個性があるのでなおさらです。そこで、ここでは青森に行ったらぜひ訪ねていただきたいスポットをご紹介します。

良質な温泉が湧いている八甲田周辺

日本百名山に数えられる八甲田山は活火山で、古くから周囲には数々の良質な湯が湧いています。周辺には「城ヶ倉」「酸ヶ湯」「猿倉」「谷地」「蔦」といった名湯が点在し、それぞれに特徴的な入浴施設や、趣きのある宿を楽しむことができます。県内の主な都市からはかなりの距離がありますが、全て国道103号という1本の道沿いにあるので、車を使えばはしごして回ることもできます。ただそれぞれが大変強い成分の湯ですので、ゆっくりと泊まり歩くことができれば理想的です。

そこまでの時間が取れない、という方にはこのなかで「酸ヶ湯(すかゆ)」をおすすめします。
八甲田周辺の湯を代表するといっても過言ではない「酸ヶ湯」ですが、その理由は「千人風呂」と呼ばれる、総ヒバ造りの大きな独特の入浴施設にあります。「千人」は言い過ぎとしても、相当たくさんの人数が利用できそうな広さです。

酸々湯の魅力

古い湯治場の雰囲気をそのまま残すこの浴場は2か所の源泉を使っており、それぞれ「熱の湯」、「四分六分の湯」と呼ばれています。不思議なことに、「熱の湯」のほうが少しぬるめです。実は四分六分の湯は、源泉の湯が熱すぎるため、四分六分の割合で水と混合してあるということだそうです。さらに打たせ湯もあります。大変趣きのある湯屋で、ここに入ることだけを旅の目的とされている方もいるほどです。

浴場は混浴で、一時は浴槽内に男女仕切りが設けられていたこともあったそうですが、常連客有志で結成された「混浴を守る会」の活動により現在では復活しています。「千人風呂」には洗い場がないので、必要な方は隣接する「玉の湯」を利用すると良いでしょう。

大変な積雪量で知られる八甲田周辺ですが、冬季でも除雪が行われ、青森市や十和田市からバスも運行しているので、一年を通していつでも訪れることができます。冬の厳しさを、ぬくぬくと湯につかりながら体験することができる、青森を代表する温泉地です。